HOME|ブログ|南アフリカワイン|ワインテイスティング:ヴィラフォンテ vilafonte
- 2018.03.22
- 南アフリカワイン
ワインテイスティング:ヴィラフォンテ vilafonte
南ア訪問記の中で、2つのワイナリーに関してだけは『ワイナリー訪問』ではなく『テイスティング』となります。
ヴィラフォンテはその一つで、ワイナリーには行かれなかったのですが、ヴィラフォンテとワーウィックはオーナーが同じであるため、ワイナリーの方が来てくださって、ワーウィックのテイスティングルームにて試飲会が行われました。
ヴィラフォンテは、南アフリカとアメリカのジョイントベンチャーで、プレミアムな赤のボルドー・ブレンドを醸造しています。
生産地区はパール。特別なワインを造りたいという思いから、更地に未来を見据えたブドウ樹を植えたのは、1996年のことだそう。150万年前のユニークな地層からなる土壌は肥沃でないため、ブドウ樹を密植しています。なぜ、痩せた土地に密植するの?それは、ブドウの樹が横に向かって根を張ろうにも、隣同士がぶつかり合ってしまうため、地面の下に向かって根を張るようになるからです。そうすることによって、地中の様々な成分や水分を吸い上げ、こうしたブドウ樹からは低収量で凝縮された果実が収穫できるのです。
醸造家には、かつてロバート・モンダヴィやシミ・ワイナリーでも醸造責任者を務め、デキャンター誌の「世界のトップ30醸造家」にも選ばれているアメリカ人女性醸造家ゼルマ・ロング氏を招聘。栽培コンサルタントにはオーパスワンの元栽培責任者フィル・フリーズ氏が加わりました。
一方、南アフリカからは、ステレンボシュの優良生産者、ワーウィックのオーナー、ラトクリフ氏がマネジメントを務め、これらのチームで、南アフリカを代表するトップクラスの赤ワインを製造しています。
ワインはカベルネソーヴィニヨン主体のシリーズCとメルロー主体のシリーズMの2種類のみで、共に世界完全割当の希少ワインとなっています。
さて、テイスティングです。
左はメルロー主体のシリーズM、右はカベルネ・ソーヴィニオン主体のCです。
ヴィンテージは共に2015年。
Mはメルロー40%、カベルネ・ソーヴィニオン31%、マルベック29%のブレンド。68樽生産。
Cはカベルネ・ソーヴィニオン57%、メルロー19%、カベルネ・フラン15%、マルベック9%のブレンド。44樽生産。
Mは過去にワインスペクテーター誌においてベスト・ボルドーブレンドに2度選ばれたことがあるそうです。
レッドプラム、チェリー、ブルーベリーコンポートのようなフルーティな香りに、ハーブやチョコレートのニュアンスもあります。
酸味のしっかりしたフルボディで、タンニンはベルベットのようにきめ細かくしなやか。
リッチでエレガントなワインで、今飲んでも美味しいですが、あと数十年は熟成可能だそうです。
Cはこの年パーカーポイント95点を獲得。WE誌では世界のトップ100ワインにランクイン。
カシスやプラム、ブラックチェリーといった濃厚な黒系果実に、鉛筆の芯、バニラ、リコリス、クローヴなどのスパイスの香りも。杉のような清涼感を感じさせるニュアンスもあります。
しっかりとしたタンニンは途切れることのない滑らかさで、酸味もしっかり、フルーツの味わいから樹脂のような厚みのある長い余韻へと続きます。
こちらも今飲んでも美味しいし、数十年という長期熟成のポテンシャルも十分にあります。
ヴィラフォンテのワインは、イメージ作りとプレゼンテーションにもこだわりを持っているようです。
厚みのあるエチケットには、畑の深さ2.5mの土壌をスキャンした立体的な模様がプリントされています。
ボトルはMが赤、Cが黒のラッピングペーパーで一本ずつ包装してあります。
ラッピングをはがすと、帯の裏面にはワインに関する情報が書かれています。
ちなみに、Mのティム・アトキン評価は11、12年が95点、13、14年が94点!
Cは11年がWS93点、12年がパーカー94点、13年がティム95点、パーカー93点、14年はティム95点、パーカー94点!!
たった2種類のワインだけのテイスティングではありましたが、1時間以上たっぷりお話を伺いながら、有意義な時間を過ごすことができました。
※現在アフリカーで取り扱いのあるヴィラフォンテのワインはこちら
(このハイクオリティなボルドーブレンド、アメリカやヨーロッパのものだったらとてもこのお値段では買えないと思いますよ!)
関連記事
2023.08.01
2021.01.11
2020.01.21
2019.12.04