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- 2025.06.10
- 南アフリカワイン
2025年ヴィンテージ・レポート

2025年も早くも6月に入り、南アフリカのワイン産地では収穫の時期も一段落してきました。
そんな中で気になるのが、2025年ヴィンテージの出来!どうなのか??
実は2024年の7月(南アでは冬)に現地を訪れた際、「記録的に雨の多い冬だった」と聞きました。(実際ビックリするほど雨の連続でした)
でもそれが逆に畑にとってはしっかり休める良い機会になり、「翌年の収穫は良いヴィンテージになりやすい」とも教えてもらったんです。
では、実際に2025年の評価はどうなのか?
もちろんまだリリースされているワインはほとんどありませんので、実際に飲んだ上での評価ではなく、“期待値”としての評価ですが…
その最新レポートを、南アの業界団体「Vinpro」がまとめていて、WOSA(南アフリカワイン協会)がそれを元に記事を書いてくれました。
それを読む限りだと「超期待大!!!」でした!!!
↑ 今年2025年第一号のヴィオニエ。お手頃デイリーワインですが、十分美味しいです!!
ということで、そのWOSAの記事、日本語訳をこのあとご紹介します!
ぜひチェックしてみてください!
—-↓↓ 2025年ヴィンテージレポート概要 (WOSA記事の訳)↓↓ —-
南アフリカのワイン業界は、優れた品質と大きな期待を抱かせるシーズンを祝福しています。2025年のワイン用ブドウの収穫は、バランス、風味の凝縮感、そして構造の点で非常に優れた果実品質が特徴となり、これはプレミアムワイン生産の重要な要素です。これは、持続的に穏やかで乾燥した気候条件のおかげです。
Vinpro社のコンサルテーション・サービス・マネージャー、エティエンヌ・ターブランシュ博士によると、今季は沿岸部および内陸部でほぼ理想的な成熟環境に恵まれ、安定した成熟とバランスの取れた果実の成長が可能になりました。「成熟期の気温が比較的低かったことで酸が保たれ、色合いや風味の成分が豊かに育まれました。特にピノタージュ、シラー、シャルドネでは顕著です。誇りを持ってお届けできるワインです」と述べています。
開花期と果実の成長期には穏やかな気候が続き、均一な結実を促進しました。12月と1月に一時的に気温が急上昇するなどの局所的な課題はありましたが、全体的にブドウの木は健やかに育ち、病害の発生も比較的少ない年でした。ブドウ畑の面積縮小により収量は長期平均を下回るものの、今年の高品質なヴィンテージは、プレミアム路線への業界の転換に合致する結果となりました。
業界団体SAWISの最新見積もりによると、2025年の収穫量は86,544ヘクタールから124万4,000トンとなっています。
南アフリカワイン協会(South Africa Wine)のCEO、リコ・バッソン氏は「この収穫は、生産者とワインメーカーたちが南アフリカワインをさらに高みへと押し上げようとする姿勢と粘り強さを物語っています。重要なのは、グラスの中の品質だけでなく、世界120以上の市場を対象とした的を絞った販売・マーケティングによって生み出される価値です。このようなプレミアム収穫は、我々が国の経済にとって重要な存在であることをさらに強固にします」と述べています。
また、このヴィンテージは、プレミアムでサステナブルなワインの需要が世界的に高まる中で、非常に好機に恵まれたものです。
南アフリカワイン輸出振興協会(WoSA)のCEO、シボーン・トンプソン氏は「2025年ヴィンテージは、国際市場に向けて非常に魅力的なストーリーを届けられるチャンスです。現在、バイヤーや消費者は“本物”、“高品質”、“産地の明確さ”を求めており、南アフリカはそのすべてを提供できます。このヴィンテージによって、それを自信を持ってアピールできるようになりました」と述べています。
さらに2025年は、南アフリカを代表するブドウ品種「ピノタージュ」の誕生100周年の記念年でもあり、国内ワイン業界および輸出市場にとって、より特別な収穫年となりました。
■ 産地別の概況:
ブリーダークルーフ(Breedekloof)
ピノタージュとシュナン・ブランは特に良いヴィンテージになる。風味が凝縮された果実と濃厚な果汁が、構造とエレガンスを備えたワインへとつながっています。
ケープ・サウス・コースト(Cape South Coast)
冷涼で安定した気候により、シャルドネやピノ・ノワールで酸のバランスと繊細な風味が実現。同地域は引き続き、冷涼気候産ワインの名産地としての地位を築いています。
クラインカルー(Klein Karoo)
成長期に一部雹の影響があったものの、ミュスカなど酒精強化ワイン用の品種では風味が良好に発展。病害も少なく、最適なタイミングでの収穫が可能でした。
オリファンツ・リバー(Olifants River)
シュナン・ブランは収量控えめでしたが、赤品種では色合いとpHのバランスが優れ、特にシラーとカベルネ・ソーヴィニヨンが印象的。
ノーザンケープ(Northern Cape)
早熟傾向と灌漑の効率的な管理により、健全な果実品質を維持。コロンバールやシュナン・ブランで良好なバランスが得られました。
パール(Paarl)
シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの力強い赤品種が、濃厚な色調と成熟したタンニンを備え、プレミアムワインのポテンシャルを示しました。
ロバートソン(Robertson)
理想的な成熟条件と穏やかな気候のおかげで、フレッシュで果実感豊かな白、構造のしっかりした赤(特にシラーとシャルドネ)が生まれました。
ステレンボッシュ(Stellenbosch)
プレミアム赤ワインの旗艦ヴィンテージ。十分な成熟期間により、濃厚な色調としっかりとした構造のあるワインに。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローは熟成向きの逸品となる見込みです。
スワートランド(Swartland)
ドライランド(無灌漑)栽培のブドウが凝縮した果実を実らせ、特にシュナン・ブランとシラーが好結果。昼夜の寒暖差が大きく、品質の高いワインが期待されます。
ウスター(Worcester)
一部暖かい時期があったものの、水資源の適切な管理により良好な果実品質を維持。コロンバールやソーヴィニヨン・ブランで成果を上げ、ピノタージュなどの赤品種も色と口当たりにおいて有望です。
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