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2016年、南アフリカでワイナリーオブザイヤーに輝いたマリヌーのこだわり。(動画もあります。)
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こんにちは!!店長のToshiこと小泉俊幸です。
南アフリカワインに詳しい方は、もしかしたらご存知かもしれませんが、2016年版のプラッターズワインガイドで、「ワイナリーオブザイヤー」に輝いたのは「マリヌー(Mullineux & Leeu Family Wines)」という生産者です。
なんと、現在そのマリヌーが来日しているんです♪♪
今回、BB&Rさんにお声がけいただき、マリヌーのセミナーに参加してきました!!
僕は、マリヌーのワインがとっても好きです。
今日、彼の話を聞いて、さらに彼のワインが好きになりました。
元々、彼の造るワインは、「重くない、冷涼感ある、また綺麗な酸のあるワイン」だなぁと思っていたのですが、まさにそれは彼のこだわりでもあったのです。
下記に、セミナー概要を書きます。
もっと詳細を知りたい方は、一番最後に全編動画があるのでご覧ください!!
マリヌーについて
南アフリカのスワートランドに位置する生産者で2007年設立の若い生産者。
2014年&2016年にジョンプラッターズワインガイドでワイナリーオブザイヤーを受賞している生産者です。
ティムアトキン氏(英国)格付けでも1級に君臨しており、彼のポイントも非常に高い。
奥さん(アメリカ出身)とクリスさん(南アフリカ出身)で経営しているワイナリーです。
スワートランドという地域について
スワートランドは、マリヌーの拠点になっている地域です。
下記の地図ではピンク色の部分です。南アフリカのワインランドの中でも比較的北に位置し、地中海性気候で温暖な地域に位置しています。
この土地がブドウ栽培に適しているのは、乾燥していてしょっちゅう風が吹くからです。その為、手を加えないナチュラルな製法での栽培に向いています。
またもう一つスワートランドの恵まれている部分は、古いブドウの樹が多く残っていることです。その為、凝縮された果実の味わいが楽しめます。
スワートランドの中で最も大切なテロワールは、土壌です。大きく分けて(シラーの土壌は)3種類の土壌があり、それぞれの土壌からできるブドウの味わいは以下の通り。
■花崗岩(グラナイト:GRANITE)⇒深くまで根を張ることが出来る。フレッシュな味わい。
■片岩(シスト:SCHIST)⇒浅い。ブドウの木が大きく育たない。房が小さくできる。その分、果皮が暑くなり、タンニンが強くなる。
■鉄分のある土地(アイアン:IRON)⇒標高が低いところの土地で温暖。粘土質で水分をブドウの木と奪い合い、ふくよかでリッチな味わいになる。
↓シスト(片岩)はこんな土壌です。
ワインテイスティング
セミナーでは、以下のワインをテイスティングさせて頂きました。
左から
(白ワイン)
■マリヌー クルーフストリート シュナンブラン 2015 2,200円(税込2,376円)
⇒ シュナンブラン100%。樹齢35年前後のブドウを使用しています。
■マリヌー ホワイト 2014 3,350円(税込3,618円)
⇒ シュナンブラン、クラレットブランシェ、セミヨングリなどをブレンドしています。シュナンブランの樹齢は65年前後。ブレンドによって複雑さを出している他、気候条件によってシングルテロワールのワインがリリースできない年でも、毎年リリースできるよう品質を安定させるために品種をブレンドしている意味合いもあるそうです。
■マリヌー グラナイト シュナンブラン 2014 8千円代(予定)(未入荷商品)
⇒ シュナンブラン100%。グラナイト(花崗岩)土壌のシングルテロワール。
熟しすぎてしまった場合など、気候条件によっては生産しないワイン。
(赤ワイン)
■マリヌー クルーフストリート レッド 2014 2,200円(税込2,376円)
⇒ ローヌブレンド。シラー、サンソー、カリニャン、ティンタバロッカ等。フレッシュで飲みやすい。20%全房発酵&1年間バリックで熟成。
■マリヌー シラー 2014 3,650円(税込3,942円) ※当店は2013年VT
⇒ シラー100%。9つの区画から複数のテロワールをブレンドしている。
■マリヌー シスト シラー 2013 13,000円(税込14,040円)
⇒ シスト(片岩)土壌のワイン。片岩で出来たブドウは果皮が厚くタニック(しっかりとしたタンニンがある)。
■マリヌー アイアン シラー 2013 13,000円(税込14,040円)予定。(現在、未入荷)
⇒ アイアン(鉄分を含む)土壌のワイン。ブドウの粒は小さいが、果皮は薄い。リッチでふくよか。
やはり、どのワインも出来が良い。
白ワインは、下位レンジから上位に上がっていくにつれて、複雑さが増していきます。
下位レンジの白は、フレッシュで綺麗。中位レンジは、エレガントで上品な樽の効いたワイン、クリーミー。上位レンジは、中位レンジよりピュアでミネラルを感じ、透明感のある仕上がりになっています。
※白ワインの各専門家、専門誌の評価は以下の通りです。
・下位レンジ:WA88点(2015年VT)
・中位レンジ:プラッターズ5星(2014年VT)、WA93点(2014年VT)
・上位レンジ:ティムアトキン93点
赤ワインは、下位レンジが少しふくよかで、複雑さもあり、全房発酵由来のスパイシーさが感じられます。中位〜上位に行くに従い、よりピュアで綺麗な酸を感じるワインになってきます。シスト(片岩)とアイアン(鉄分を含む)の違いは、アイアンの方が少し果実が濃くふくよかさがありました。
※赤ワインの各専門家、専門誌の評価は以下の通りです。
・下位レンジ:WA88点(2015年VT)
・中位レンジ:プラッターズ4.5星(2013年VT)、WA94点(2013年VT)、WS91点(2013年VT)
※試飲した2014年VTは未だ評価がありません。当店では2013年VTを販売しています。
・上位レンジ(シスト):ティムアトキン96点(2012年VT)、WA95点(2012年VT)、プラッターズガイド4.5星
※試飲した2013年VTはティムアトキン氏96点、他評価は未だなし。当店では2012年VTを販売。
・上位レンジ(アイアン):ティムアトキン94点(2012年VT)、WA93点(2012年VT)、プラッターズガイド4.5星
セミナー会場の様子
BB&Rさんのオフィスで開催されました。
マリヌー、クリス氏のこだわり
彼らがこのような素晴らしいワインを造るのには、以下のようなこだわりがあります。
1.南アフリカ、スワートランドのテロワール個性を活かすため、シラーやシュナンブランをメインに醸造している。
2.可能な限りナチュラルなワイン造りを心がけている。殺虫剤などの薬品は使わない。補酸、清澄などはしない。SO2添加は、顕微鏡などを使い様子を見ながら行う。最大でも最終的に60〜75mg/l。これはオーガニックの基準よりも低い数値。
3.綺麗な酸を出すことにこだわっている。濃くパワフルを目指しているわけではなく、あくまでもテロワールの表現にこだわって、フィネスを感じるワインを目指している。
実際、マリヌーのワインは、非常に綺麗な酸、透明感があるワインが魅力で、スワートランドを代表するシラーの造り手です。
また、シラー(シラーズ)はスパイシーで重たい、力強いといったイメージが一般的ですが、マリヌーに関しては、まったく違った印象で、もちろんスパイシーではありますが「土地の味を出す。綺麗な酸を作る。」という事に徹底していている生産者です。
まだ試していない方は、是非、一度マリヌーのワインを試していただきたいと思います。
↓マリヌー、クリス氏(右側)
★★★実際のセミナーの様子(動画)★★★
BB&R千葉様のfacebookより拝借。
最後に、今回、BB&Rの通訳担当の方が非常に上手だと思いました。
クリスさんがゆっくりと話をしてくれたこともあり、元々分かりやすい英語ではあるのですが、通訳が非常に丁寧だなぁと思いました。ありがとうございます。
では、本当に最後に、そんなマリヌーのワインが飲みたいなぁーと思った方はコチラ↓↓。
http://af-liquor.com/?mode=srh&sort=n&cid=&keyword=%A5%DE%A5%EA%A5%CC%A1%BC
以上です。
Toshi