南アフリカワインのヴィンテージまとめ
更新日 2024.09.21
下記、南アフリカワイン協会や様々な評論家の情報をピックアップし、また店主の感想なども交えて記載しています。古いヴィンテージは、情報が少なかったり、店主の試飲も少ないという事もあり、記述少なめです。
どのヴィンテージも、結局は生産者によって大きく異なるのですが、2017年、2015年、2012年、2009年はグレートヴィンテージと言われています。最近の2021年に関しても凄く良い印象です。2016年は白ワインと赤ワインのエレガント系品種(ピノ・ノワール等)は特に面白い年だと思います。
※下記★の数は、Wine SpectatorやWine Advocateなどの情報、また店主の主観も入れて総合的に判断し付けています。
また、こちらでご紹介のヴィンテージ評価に関わらず素晴らしいワインは多数あります。情報はあくまで参考程度にされることをおススメ致します。
2023年 未評価 2024年9月時点
2023年に関しては、現時点で出回っている白/赤共に素晴らしいヴィンテージと考えております。しかしまだリリースされていないワインも多く、一旦未評価扱いと致します。
気候としては、冷涼な年でしたが、収量はここ10年以上の中で最も低い年でした。その原因は、北部地域での大々的な伐根、また一部地域における豪雨や雹です。
早熟な品種については、成熟期に冷涼な気候だったため、ブドウがゆっくり成長し、理想的な糖度と低いphレベルで多くのブドウの品質は素晴らしいものと期待されています。細胞分裂時等における乾燥した気候によりブドウの粒は小粒で、凝縮した風味と色合いになったとの事。カベルネソーヴィニヨン等の晩熟品種は雨の影響で一部難しい地域もあったとのこと。また一部の地域では停電の影響で灌漑設備が使用できず、収量が減ったとの情報もありました。
収穫量:1,180,093 トン
2022年 ★★★★☆
一部の地域では、熱波や収穫直前の雨の影響で収量が落ちました。ですがステレンボッシュ、ケープサウスコースト等の地域では、収穫時期に涼しい季節と穏やかな天候が続き、収穫は増え、ブドウの成熟が遅く、素晴らしい風味と色に仕上がりました。平均して10日から14日ほど遅い収穫時期でした。
※2024年9月時点で、沢山の白ワインや一部の赤ワインがリリースされています。印象としてとても好印象です。白も赤も例年よりも果実味が乗っていて、また、21年よりも若飲みできるものも多く、濃厚でまろやかに仕上がっている印象です。
※比較的どのワインを飲んでも満足できるレベルのものが多い印象です。特に2024年7月に現地で試飲した「セレマ」のプレミアム・カベルネソーヴィニヨン(2022年ヴィンテージ)(ティムアトキン95点獲得)はとても素晴らしい印象でした。2024年9月現在輸入中ですので、是非ともお楽しみに!!
収穫量:1,378,737 トン
2021年 ★★★★☆
2021年は冷涼で穏やかな年となり、収穫量は前年比8.9%増加しました。Wine Advocate では 2017年や2015年に次ぐ高評価なヴィンテージとなってます。
ブドウ栽培期間中の冷涼な天候により、通常より2週間遅い収穫となりました。
ブドウはゆっくりと成熟することができ、凝縮感のある果実味と高い酸味のバランスの取れたワインに仕上がりました。
特にステレンボッシュやスワートランドでは収量を抑えることによる密度の高い果実味と涼しい天候によるエレガントな酸味を持つ卓越した品質のワインとなりました。また長期熟成ポテンシャルも兼ね備えた素晴らしいヴィンテージとなりました。
収穫量:1,461,599 トン
2020年 ★★★★
干ばつも過ぎ、気候も良く2019年と比較すると収量も8.2%増加しました。ステレンボッシュやスワートランド、ウォーカーベイなどの主要産地では特に好状況でしたが、ロバートソンやクラインカルーなどでは収量が減りました。
またこの年は、別の意味で難しい年でした。
新型コロナウィルスの影響で、政府が3月26日からのロックダウンを発表。
多くの生産者にとってはブドウの収穫のタイミングです。収穫のタイミングはワインの味わいを決める極めて大きな要素です。
ロックダウンの中、収穫ができるのかどうなのか?という部分が不透明で、生産者たちも不安な気持ちでいっぱいでした。実際にロックダウンが始まる前に収穫を前倒しした生産者もいました。逆にタイミングにこだわりロックダウン中に収穫を実施する生産者もいました。
またその後もロックダウンの影響で、ワイン造りはできたものの、一時期は輸出もできず大変な状況に陥りましたが、5月1日より政府が規制緩和をし、物流が動き始めました。
2020年は、色々な意味で大変でしたが、ブドウの質は高くオススメのワインは多数あります。
収穫量:1,349,883 トン
2019年 ★★★★
収穫量の低い年となりました。前年から続く干ばつの影響と生育期間中の雨等が原因です。ノーザンケープやステレンボッシュを中心に収量を落としています。スワートランドは前年よりも大きな収穫があったとの事。
2023年1月現在、多くの2019年ヴィンテージのワインが入荷しています。どのワインも銘柄によって差がありますが、現時点では、ステレンボッシュ産のカベルネソーヴィニヨン、スワートランド産のシュナンブラン等は好印象です。またスワートランド産のサディ コルメラ 2019(赤ワイン)は、英国評論家ティムアトキン氏100点となり、話題となりました。
収穫量:1,225,620 トン
2018年 ★★★★☆
100年に一度の大干ばつ、そして霜害により、収量は大幅減(前年比-15%)。
ですが評価は高い年となりました。
収穫時期は例年よりも涼しく、
ゆっくりとぶどうが熟したようです。
平均で2週間ほど収穫が遅かったとのこと。また粒は小粒で、
凝縮度が高く、
量は少ないものの厳しい環境に耐え抜いたブドウの品質は高い年でした。また、乾燥していたことから病気のリスクが低かった事から健康で良質なブドウが出来ました。
スワートランド産のポルセレインベルグ シラー 2018(赤ワイン)は、英国評論家ティムアトキン氏100点となり、話題となりました。
収穫量:1,220,920 トン
2017年 ★★★★★
Very Good と言われている年です。乾燥していて干ばつがありながらも、収量は、2016年より若干増加しました。
ブドウが成熟している時期の夜は涼しく、収穫時期に大きな熱波もなく、良いブドウが収穫出来たそうです。粒は小粒で凝縮度が高いと言われています。店主が試飲している限り、
熟成に向いた素晴らしいワインが多い様に思います。
収穫量:1,425,283 トン
2016年 ★★★★
最近の5年間で最も収量の少ないヴィンテージとなりました。前年比-6.7%。内陸部の地域では、十分な雨量があり、前年よりも大きな収穫がありましたが、特にステレンボッシュやスワートランド、パール等では大幅減となりました。
乾燥していて、暑く、
一部の地域では過度な日差しが問題になったようです。しかし、出来たブドウについては、小粒で凝縮し、素晴らしい出来栄えとなりました。また、全体的に、
収穫のタイミングが非常に早く、
低アルコールになっているワインが多くなっています。
収穫量:1,378,596 トン
2015年 ★★★★★
グレートヴィンテージと呼ばれています。冬も寒すぎず、ドライな気候が続いていました。結果、ブドウの腐敗、病気その他によるロスは殆どなかったシーズンです。成熟が早く、収穫のタイミングは、通常よりも2週間前後早かったそうです。
様々な評判や店主が試飲している限りですと、
ステレンボッシュを中心とした赤ワイン(特にボルドー系の品種)
については、非常に素晴らしいと感じています。
豊かな果実味のみならず、しっかりとした骨格、渋味が備わっており、バランス良く仕上がっています。また、
カノンコップ ポールサウアー 2015については、
ティムアトキン氏がニューワールドで初めて100点満点を付けた
事で話題となりました。
ウォーカーベイやエルギンのピノノワール、
シャルドネなどについては、
割と酸味がしっかりとしているタイプのワインが多く、
熟成に向いていると予想されます。
収穫量:1,502,360 トン
※代表的な高評価ワイン(From Tim Atkin レポート)
・カノンコップ ポールサウアー 2015(赤ワイン) 100 点
・セレマ ラブレイ 2015(赤ワイン) 97点
・デイビッド&ナディア ホースティーン シュナンブラン(白ワイン) 98点
2014年 ★★★☆
冬寒く、春も涼しく、11月や1月に沢山の雨が降り、チャレンジングな年だったとの事です。収穫のタイミングは、平年よりも2週間遅かったようです。沿岸部の地域では、素晴らしい出来とされていますが、それ以外は生産者によるとのこと。オレンジリバー近辺は、霜害にやられてしまった畑が多かったとのこと。収量は、前年比-2.6%。
店主の印象は、例えば、一部のカベルネ・ソーヴィニヨンで、例年よりもエレガントで、少し物なりないと思えるワインもありました。一方で、非常に素晴らしく評価の高い生産者も多く、やはり造り手によって大きく異なるヴィンテージと感じました。
シラーや白ワインは全体的に好評です。
収穫量:1,459,636 トン
2013年 ★★★☆
収穫のタイミングが少し遅めでゆっくりとスタートしたにも関わらず、収量は過去最大になったそうです。ロバートソン以外の地域では、例年よりも多く収穫出来ています。前年比5.4%増。
少し湿度が高い年だったようです。
特に収穫時には非常に神経を使ったとの事です。
赤ワインについては、とても期待されている年です。特にピノタージュに期待がかかっている年との事。
収穫量:1,491,432 トン
2012年 ★★★★☆
涼しくてドライな気候が続き、
やや小粒なブドウが収穫でき、
出来の良いヴィンテージと言われています。
多くの素晴らしいワインを堪能できます。
2011年 ★★★★
ドライな気候が続き、小粒なブドウが出来ました。
凝縮されている味わいになっています。
2010年 ★★★☆
11月は湿度の高い気候が多く、
12月は非常に乾燥していたそうです。
収穫は少し遅めでゆっくりと熟した年でした。
カビが幾つかの地域で見られ、
出来栄えは生産者によって異なるとされています。
2009年 ★★★★★
非常に称賛されているヴィンテージの一つです。
ワインスペクテーター誌では、
南アフリカの2009年ヴィンテージを2015同様の評価として
います。現時点で購入出来る2009はなかなか少ないですが、
見つけたら是非お試し下さい。