カベルネ・フランというブドウですが、皆様はどういったイメージがありますか?
フランス・ボルドーではとても有名ですよね。ボルドーでは、単一ではなくブレンドワインの一部に使われることが多い品種です。単一で造られるカベルネ・フランは、フランスでもロワールに多くあり、いくつか有名な銘柄もあります。
そんなカベルネ・フランですが、実は、南アフリカでじわりじわりと脚光を浴びてきています。カベルネ・フラン単一のワインも多く出てきています。特に2017年はカベルネ・フランに再度注目が集まった年で、南アフリカの次の切り札とも言われました。
という事で、ここで一旦、カベルネ・フラン及び南アフリカにおけるカベルネ・フランを一旦整理してみましょう!!
カベルネ・フランの特徴
カベルネ・フランは、カベルネ・ソーヴィニヨンよりも軽めの味わいと言われていて、明るい色合いで、スパイシーな香り、そしてハーブやピーマン等のニュアンスを感じるワインです。
また、フランスのカベルネ・フラン単一と南アフリカのカベルネ・フラン単一を比較すると随分と違います。どちらもスパイシーで青さを感じる部分では共通していますが、フランスのカベルネ・フランは、軽めでクリアな味わい。南アフリカのカベルネ・フランは、もう少しジューシーでボリューム感があります。ですが、とても上品で輪郭のハッキリとしている味わいです。また、一般的には、カベルネ・ソーヴィニヨンよりもやや早熟と言われています。
カベルネ・フランの歴史
カベルネ・フランは、スペイン北部バスク地方が起源とされておりますが、フランス・ボルドーやロワール地方で有名なブドウです。ロワールでは「ブルトン」とも呼ばれています。1997年、DNA鑑定が行われ、ソーヴィニヨン・ブランと共にカベルネ・ソーヴィニヨンの親品種であることが分かりました。
南アフリカのカベルネ・フラン
元々、南アフリカでカベルネ・フラン単一ワインが造られたのが、1988年。ワーウィックが初めてです。また、その後、1995年、コルドバ・クレッセンド(Cordoba Crescendo)というワインが、カベルネ・フラン主体のブレンドワインでリリースされ、南アフリカの最初のカルトワインとなりました。 現在では、ラーツ、ワーウィックなどの生産者が世界的にも高い評価を得ています。
南アフリカでのカベルネ・フランの栽培面積は、全ブドウの1%以下となっていて、そして、栽培面積も実は、減っています。2008年には1,000haほどでしたが、2016年には835haとなっています。その68%は、ステレンボッシュとパールに植樹されています。
しかし、2016年〜2017年頃から、カベルネ・フランは南アフリカにおける次の切り札とさえ言われています。
実は、栽培面積は減っているものの、「カベルネ・フラン」としてボトリングされているワインの銘柄が劇的に増えているためと言えます。ちなみに、2005年は17銘柄、2015年は78銘柄、2016年は147銘柄です。
実際、カベルネ・フラン単一のワインは、とても高い評価を得ていて、例えばメルロー単一よりも成功していると言われています。例えば、ラーツのカベルネ・フランは、過去にあのシュバルブランに勝ったと言われているワインもあります!
また、カベルネ・フランは、実は世界的にも増えており、エレガントなワインの需要の高まりとともに、ボルドーでも酸があって軽やかなカベルネ・フランのブレンド比率が高まっているのだとか。
南アフリカのカベルネ・フラン。今後も目が離せないブドウですよ♪♪
南アフリカのおすすめカベルネ・フラン
下記、どれもおすすめですが、「ヴァン・ロッゲレンベルグ」は軽やか系、他の4本はしっかり系と系統が異なり、どちらの系統のワインも、是非一度試して頂きたいと思います!!
■ヴァン・ロッゲレンベルグ ブルトン・カベルネ・フラン
ロワールスタイルのカベルネ・フランで、ロワールでの呼び名「ブルトン」という名前も入っています。実際のロワール地方のカベルネ・フランよりもややジューシー、ソフトな印象といったところです。アルコールも抑えられており、上品かつエレガントに仕上がっています。
■ラーツ ファミリー カベルネフラン
こちらは、しっかりめのカベルネ・フランという印象です。
きめ細かくも芯のあるしっかりとしたボディで、純粋に、満足感のある一本です。
■ワーウィック カベルネフラン
南アフリカでは、王道のカベルネ・フラン。ほぼ毎年プラッターズワインガイド5つ星です。
シルキー&滑らかなワインです!まずこのカベルネ・フランを試して頂くのも良いかもしれません。
■グレネリー グラスコレクション カベルネ・フラン
こちらは、1000円台のワインですが、人気でコストパフォーマンスの良いワインです。
ジューシーで、しっかりとした造りになっています。
■モーゲンスター カベルネ・フラン
こちらは、綺麗で輪郭のハッキリしているシャープなカベルネ・フランです。
アタックはやや強めです。多くの人に愛されるタイプで、総じてバランスの良いエレガントなワインです。
■ラーツ ドロマイト・カベルネ・フラン
ラーツのエントリーレンジのカベルネ・フラン。鉛筆の芯のような香りと厚みのあるスパイシーな余韻が印象的な個性的で素晴らしい一本です!
こちらも多くの人に愛されるタイプですが、同じ価格帯の上記モーゲンスターと比較すると、少しマニア寄りな逸品です。