南アフリカ(ケープ)のフローラル・キングダムは、世界で最も小さく、そして、リッチな植物区系です。
現在では、世界遺産に登録され、10,000種類もの植物の生息地でもあり、何千もの動物たちが暮らしています。
南アフリカのワインランドでは、古代よりあった土地、そして山々や谷、海風などが一定の相互作用をし、その結果、特殊な固有の植物相を作り出しています。10,000もの植物があり、そのうちの70%は固有種です。
これらの環境がテロワールを複雑にしており、そして、これをサポートする事が、幅広い種類のワインとスタイルを支えています。
殆どのケープのワイン産地は、大西洋又はインド洋の影響を受けており、例えば冷たいそよ風や霧などがあります。気候は地中海性気候となっており、多様な地形や土壌があります。
これらは、まさに個性的なワインを造る理想的な環境なのです。加えて、ワイン造りの伝統や歴史は350年あります。
その結果、旧世界のエレガントさと果実味に溢れた新世界のスタイルを併せ持つユニークなテロワールを表現する事が出来ているのです。
南アフリカのワイン産業は、このような環境(世界遺産)を保護する事をコミットしています。
そして、南アフリカは、この分野(環境保護に則ったワイン造り)の世界のリーダーです。
IPW(Integrated Production of Wine)は、1998年に導入された機関で、持続可能な農業を主導しています。現在は、95%以上のブドウ栽培家やワイン生産者がIPWのシステムに則っており、環境をケアしながら、また、水資源を管理しながら、健康で安全、そしてユニークな植物体系を保護しながらワイン造りを行っています。
2004年には、The Biodiversity & Wine Initiative (BWI)というワイン生産者と環境保護セクターとのパートナーシップを連携する規格が導入され、最近の10年では、223ものワイン生産者が自分達の敷地面積のうち、144,000ヘクタール(東京都の2/3:1生産者あたり6.45平方キロメートル)もの土地を環境保全としています。この環境保全の土地は、彼らの畑面積99,463ヘクタールをも超えています。
WO(Wine of Origin)のスキームは、1973年に導入され、The Wine and Spirit Board (WSB)によって管理・運営されています。Sustainable Wine South Africa (SWSA)は、WSBやIPW、そして世界支援保護基金のWWF、そしてWOSAと協定して繋がっています。
2010年、南アフリカは世界で初めてサスティナビリティシールを導入しています。このシールは、WSBによって発行されました。
ワイン造りにおける過程、例えば化学薬品の使用を最低限にし、排水を適切に浄化し、また害虫から畑を守るための方法(自然な方法)までを測定、監査、保証しています。
このシステムは、ブドウが育った場所までを特定し、洗練されたトレーサビリティを提供しています。(2025年迄には新しシールが導入されます。)
2012年5月、WIETA(非営利団体)によってサスティナビリティシールに新たに労働環境に関する規格が追加されています。
※WOSA資料を翻訳