アメリカ・ボストン出身&ニューヨーカー、キャリアウーマンの女性ヴァージニア・ポーヴァル氏(ニックネーム:ジニー)が2008年から始めたワイナリーです。
元々、ニューヨークに拠点のある大手コンサルティングファームでCOOを務めていた都会のキャリアウーマンだったジニーですが、会社が売られたのをきっかけに退職しました。一方で、彼女は、長い間、アメリカの自宅で、趣味でワイン造りを行っていました。退職してから4年間は、ワイン造りを行いたいと想い続け、様々なワイン造りの為の準備をしていました。
そして、2008年、南アフリカの「Zorgvliet」というワイナリーにインターンシップに行った際に、ついにステレンボッシュ・デヴォンヴァレーにある土地を見つけました。元々、その土地は1940年代から続く花畑で、南アフリカで商業用のキング・プロテア(南アフリカの国花)が植えられている最初の畑でしたが、彼女は庭を持ちたいという夢も有った為、花が育てられているまるで樹木園のようなその土地を購入しました。
今でも、花は栽培されておりますが、2009年より、敷地内にブドウを植え、現在では、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティヴェルド等を栽培しています。標高は180m〜230m、フォールス湾から冷たい風が吹き、午後は10℃以上気温が下がる場所です。この畑から獲れるブドウを使い、「ビッグ・フラワー(Big Flower)」と呼ばれているレンジのワインを造っています。
一方で、彼女の最も有名なワインは、「メアリー・デラニー シュナン・ブラン」。「メアリー・デラニー」というペーパークラフト作家の作品が描かれたワインです。
このワインの初ヴィンテージは、2009年。いきなりプラッターズワインガイドにて5つ星を獲得しています!!しかもその後、2011年、2012年、2014年、2015年、2016年、2017年と全9ヴィンテージ中、7つのヴィンテージが5つ星となっています!!
例えば、ここ4年間(プラッターズワインガイド2016年〜2019年)で、5つ星をキープしているシュナン・ブランは、デイビッド&ナディアのホースティーン シュナン・ブラン(定価10,000円のワイン)を除くと、この「メアリー・デラニー シュナン・ブラン」のみです!
彼女の快挙は、国内に大きなインパクトを与えました。ワインだけでなく、彼女の選んだシトラスダル・マウンテンにあるスカーフバーグの畑(買いブドウ)も一躍有名になり、現在では、イーベンサディやアンソニー・ルパート等もその畑のブドウを調達するに至ります。
また、ボタニカは、「リジェネレイティブオーガニック農法」という手法を採用し、農業を行っています。
これは、サスティナビリティ(持続可能な)農業よりも一歩進んだ環境農業の事です。この農法の大きな特徴は「不耕作栽培」。つまり畑を耕さない農業の事。これにより機械を使わなくて済み、また、土をむやみに掘り起こさないので、有機物(炭素)を地中に閉じ込める事が出来ます。有機物(炭素)を空気中に放出しない為、それが酸化して出来る二酸化炭素も発生しないのだそうです。
さらに、空気中にある二酸化炭素を光合成で吸収する為、現在放出されている二酸化炭素を軽減できるとされています。
この農法は、アメリカの衣料メーカー「パタゴニア」の食品事業が積極採用していて、新たなトレンドとして知られています。